検索結果詳細


 『木の子説法』 青空文庫

 私の田舎の叔母が一枚送ってくれた単衣《ひとえ》を、病人に着せてあるのを剥《は》ぐんです。その臭さというものは。……とにかく妻恋坂下の穴を出ました。
 こんなにしていて、どうなるだろう。櫓《やぐら》のような物干を見ると、ああ、いつの間にか、そこにも片隅に、小石が積んであるんです。何ですか、明神様の森の空が、雲で真暗《まっくら》なようでした。

 111/231 112/231 113/231


  [Index]