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『春昼後刻』
泉鏡花を読む
「貴女は、貴女は気分が悪くつて寝ていらつしやるんだ、と云ふぢやありませんか。」
「あら、こんなに甲羅を干して居りますものを。」
「へい、」と、綱は目を〓《みは》つて、あゝ、我ながらまづいことを言つた顔色。
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