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『春昼後刻』
泉鏡花を読む
「あら、こんなに甲羅を干して居りますものを。」
「へい、」と、綱は目を〓《みは》つて、あゝ、我ながらまづいことを言つた
顔
色。
美女は其の顔を差覗く風情して、瞳を斜めに衝と流しながら、華奢な掌を軽く頬に当てると、紅がひらりと搦む、腕の雪を払ふ音、さら/\と衣摺れして、
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