検索結果詳細


 『活人形』 鏡花とアンティークと古書の小径

 得三は予て斯くあらむと用意したる、弓の折《をれ》を振上ぐれば老婆はお藤の手を扼《とりしば》りぬ。はつしと撲《う》たれて悲鳴を上げ、「あゝれ御免なさいまし、御免なさいまし。と後へ反り前へ俯し、悶え苦しみのりあがり、紅蹴返す白脛はたはけき心を乱すになむ、高田駄平は酔へるが如く、酒打ち飲みて居たりけり。

      十三 走馬燈《まはりどうろう》

 114/219 115/219 116/219


  [Index]