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『日本橋』
青空文庫
こっちは悔悟して、坊主にでもなろうと云うんだ。……いずれ精進には縁があります。自棄だから序に言うが、……私は、はじめて逢った時、二十三の年、……高等学校を出ると、祝だと云って連出して、村田屋で御飯を驕ったものがある。酒は飲めず、畏って煙草ばかり吐かしていたので、愛想に一本、ちょっと吸って、帰りがけにくれたのが、」
「承知々々。」とまた笑う。
「でね、口紅がついていたんだ。」
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