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『婦系図』
青空文庫
「蔦吉姉さんはお達者?」と小さな声。
主税はヒヤリとして、ついに無い、ものをも言わず、恐れた
顔
をして、ちょっと睨んで、そっと上って、開けた障子へ身体《からだ》は入れたが、敷居際へ畏《かしこ》まる。
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