検索結果詳細


 『婦系図』 青空文庫

 主税はヒヤリとして、ついに無い、ものをも言わず、恐れた顔をして、ちょっと睨んで、そっと上って、開けた障子へ身体《からだ》は入れたが、敷居際へ畏《かしこ》まる。
 酒井先生、座敷の真中へぬいと突立ったままで――その時茶がかった庭を、雨戸で消して入《い》り来る綱次に、
「どうだ、色男が糶出《せりだ》したように見えるか。」

 1200/3954 1201/3954 1202/3954


  [Index]