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『婦系図』
青空文庫
主税はヒヤリとして、ついに無い、ものをも言わず、恐れた顔をして、ちょっと睨んで、そっと上って、開けた障子へ身体《からだ》は入れたが、敷居際へ畏《かしこ》まる。
酒井先生、座敷の真中へぬいと突立ったままで――その時茶がかった庭を、雨戸で消して入《い》り来る綱次に、
「どうだ、色男が糶出《せりだ》したように見えるか。」
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