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『草迷宮』
鏡花とアンティークと古書の小径
御免なせえまし、御新姐様、御免なせえまし、と夢中ながら一心に詫びると、踏躙《ふみにじ》られる苦悩の中から、目を開いて、じろじろと見る瞳が動くと、口も動いて、莞爾する、……その唇から血が流れる。
足は膠で附けたよう。
同一《おなじ》処を蠢く処へ、宰八の声が聞えたので、救助《たすけ》を呼ぶさえ呻吟《うめ》いたのであった。
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