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『日本橋』
青空文庫
広袖を着たまま亡くなると、看病やつれの結び髪を解きほぐす間も無しに、母親も後を追う。
姉は二十、私は十三、妹は十一で、六十を越して祖
母
さんが、あとに残った……私と妹は奉公に出たんです。
姉は祖母をかかえて、裏長屋に、間借りをして、そこで、何か内職をして露命をつないでいる。私が小僧になったのは、赤坂台町の葉茶屋だった。」
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