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 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

 すぽりと脱いで、坊主天窓《ぼうずあたま》をぬいと出したが、これはまた、ばあ、といってニタリと笑いそうで、自分の顔ながら気味の悪さ。
 そこで屹となって、襟を合せて、枕を仕かえて、気を沈めて、
 「衆怨悉退散、」

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