検索結果詳細
『草迷宮』
鏡花とアンティークと古書の小径
漸《やっ》と冷いのが知れて、掌で撫でると、冷《ひや》りとする。身震いして少し起きかけて、旅僧は恐る恐る燈の影に透したが、幸《さいわい》に、血の点滴《したたり》ではない。
さては雨漏りと思う時は、蚊帳を伝って雫するばかり、はらはらと降り灌《そそ》ぐ。
耳を澄ますと、屋根の上は大雨であるらしい。
1231/1510
1232/1510
1233/1510
[Index]