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 『日本橋』 青空文庫

 祖母は祖母で、目を煩ってほとんど見えない。二人の孫を手探りにして赤い涙を流すんじゃないか。
 私は気が付くと、その夜、――後で妹の話を聞いて慄然して飛んで出たが、猫行火に噛着いていて、豆煎を頬張ったが、余り腹が空いて口が乾いて咽喉へ通らないから、番茶をかけて掻込んだって。

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