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 『龍潭譚』 青空文庫

 「九ツ谺《こだま》――ここはね、九ツ谺《こだま》といふ処なの。さあもうおとなにして寝るんです。」
 背に手をかけ引寄せて、玉の如きその乳房をふくませたまひぬ。露《あらわ》にき襟、肩のあたり鬢のおくれ毛はらはらとぞみだれたる、かかるさまは、わが姉上とは太《いた》く違へり。乳をのまむといふを姉上は許したまはず。

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