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 『歌行燈』 従吾所好

 故〈わざ〉と一足後へ開いて、隠居が意見に急ぐやうな、連の後姿をじろりと見ながら、
「それ、其処が其れ捻平さね。松並木で出来たと云つて、何もごまのはひには限るまい。尤も若い内は遣つたかも知れんてな。はゝは、」
 人も無げに笑ふ手から、引手繰るやうに切符を取られて、はつと駅夫の顔を見て、きよとんと生真面目。

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