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 『日本橋』 青空文庫

 はずんだ声も夜とともに沈んで聞えて静である。
「滅相な、何の貴女。お忘れ下さるのが功徳でござりますよ、はい、でも私はざっとお見覚え申しております、たしか……滝の家さんのお妹御……」
「ええ、小女い方よ、お爺さん、こんなになって……お可懐いのね。」

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