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 『薬草取』 青空文庫

 橋は、雨や雪に白《しら》っちゃけて、長いのが処々《ところどころ》、鱗《うろこ》の落ちた形に中弛《なかだる》みがして、のらのらと架《かか》っているその橋の上に茫然《ぼんやり》と。
 後《のち》に考えてこそ、翌朝《あくるあさ》なんですが、その節《せつ》は、夜を何処《どこ》で明かしたか分らないほどですから、小児《こども》は晩方《ばんがた》だと思いました。この医王山の頂《いただき》に、真な月が出ていたから。

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