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『草迷宮』
鏡花とアンティークと古書の小径
「わッ、」
とばかりに平伏《ひれふ》した。実《げ》にこそその
顔
《かんばせ》は、爛々たる銀《しろがね》の眼一双《ひとなら》び、眦に紫の隈暗く、頬骨のこけた頤蒼味がかり、浅葱に窩んだ唇裂けて、鉄奬《かね》着けた口、柘榴の舌、耳の根には針の如き鋭《と》き牙を噛んでいたのである。
1389/1510
1390/1510
1391/1510
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