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 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

 と血を分けぬ、男と女は、天にも地にも許さぬ掟。
 私たちには自由自在――どの道浮世に背いた身体《からだ》が、それでは外に願いのある、私の願《がん》の邪になります。仮令《よし》それとても、棄身の私、唯最惜《いとおし》さ、可愛さに、気の狂い、心の乱れるに随《まか》せましても、覚悟の上なら私一人、自分の身は厭いはしませぬ。

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