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『日本橋』
青空文庫
ふと言絶え、嘆息して、
「ここで栄螺を放した方は、上の壇に栄螺が乗って、下に横にして供えられた左褄の
人形
を、私とは御存じないの。」
と、半ば乱れた独言、聞かせぬつもりの声が曇る。
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