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 『日本橋』 青空文庫

「飛んでもない、お孝さんこそ可い姉さん。ああでなくては不可ません。私は何も、曲んだり拗ねたりして、こう云うのではないんです。お爺さん、色でも恋でもない人に、立てる操は操でないのよ。……一人に買われる玩弄品です。大人の手に遊ばれる姉さま人形も同じ事。」
 ふと言絶え、嘆息して、
「ここで栄螺を放した方は、上の壇に栄螺が乗って、下に横にして供えられた左褄の人形を、私とは御存じないの。」

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