検索結果詳細


 『日本橋』 青空文庫

「何の真似は出来ませいでも、せめて芸ごとで、勤まるようになれば可いと存じますよ。貴女なぞは何が何でも、そこが強味でいらっしゃいます。憂さも辛さも、糸に掛けて唄っておしまいなさりまし。芸ごとも貴女ぐらいにおなりなさると、人の楽みより御自分のお気晴しになりまする。……中にも笛は御名誉で、お十二三の頃でございましたろうか、お二階でなさいますのが、私ども一町隣、横町裏道|寂となって、高い山から谷底に響くようでござりましたよ。」

 1424/2195 1425/2195 1426/2195


  [Index]