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『草迷宮』
鏡花とアンティークと古書の小径
日頃のお苦みに疲れてか、まあ、すやすやとよく寝て、」
と、するすると寄った、姿が崩れて、ハタと両手を畳につくと、麻の薫が発《はっ》として、肩に萌黄の姿つめたく、薄
紅
が布目を透いて、
「明《あき》ちゃん……」
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