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『天守物語』
泉鏡花を読む
夫人 矢張《やつぱ》りお可愛い。(その背を抱き、見返して、姫に附添える女童《めのわらは》に)どれ、お見せ。(手鞠を取る)まあ、綺麗な、私にも持つて来て下されば可《よ》いものを。
朱の盤 はゝッ。(その白布の包を出し)姫君より、貴女《あなた》様へ、お心入れの土産が此に。申すは、差出がましう
ござ
るなれど、これは格別、奥方様の思召《おぼしめ》しにかなひませう。……何と、姫君。(色を伺ふ。)
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