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 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

 と僧は心に――大方明も鐘撞堂から、この状《さま》を、今視《なが》めている夢であろう。何かの拍子に、その鐘が鳴ると目が覚めよう、と思う内……
 身動《みじろ》ぎに、この女《たおやめ》の鬢の後《おく》れ毛、さらさらと頬に掛ると、その影やらん薄曇りに、目ぶちのあたり寂しくなりぬ。
   (笄落し小枕落し……)

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