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『草迷宮』
鏡花とアンティークと古書の小径
身動《みじろ》ぎに、この美女《たおやめ》の鬢の後《おく》れ毛、さらさらと頬に掛ると、その影やらん薄曇りに、目ぶちのあたり寂しくなりぬ。
(笄落し小枕落し……)
と綾に取る、と根が揺らいで、さっと黒髪が肩に乱るる。
1485/1510
1486/1510
1487/1510
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