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 『泉鏡花自筆年譜』 泉鏡花を読む

 明治二十八年二月、家計を支ふる必要上、博文館輯する所の日用百科書の編纂に従ふため、小石川戸崎町大橋乙羽氏の宅に移る。葉先生、弟子の行を壮(さかん)ならしむるため、西洋料理を馳走さる。いまだ酒なし。ホークとナイフの持ち方を教へられしも此の時なり。四月、「夜行巡査」を文芸倶楽部に発表。青年文学誌上、田岡嶺雲の讃をうく。つづいて「外科室」深夜にして成りて、文芸倶楽部巻頭に盛装して出づ。六月、年七十を越えたる祖母を見むがために帰郷し、八九月とも祖母の慈愛に逗留。北国新聞に「黒猫」を草す。十月帰京。また脚気に悩む。

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