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 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径

 その後を水が走って、早や東雲の雲白く、煙のような潦《にわたずみ》、庭の草を流るる中に、月が沈んで舟となり、舳を颯と乗上げて、白粉の花越しに、すらすらと漕いで通る。大魔の袖や帆となりけん、美女《たおやめ》は船の几帳にかくれて、
    (此処は何処の細道じゃ、
         細道じゃ、

 1504/1510 1505/1510 1506/1510


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