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『婦系図』
青空文庫
「ええ、」とばかりで、お妙は俯向いて、瞬きしつつ、流眄《しりめづかい》をするのであった。
「別に、一大事に関して早瀬は父様の許《とこ》へ、頃日《このごろ》に参った事はないですかね。或《あるい》は何か貴娘、聞いた事は
ありません
か。」
小さな声だったが判然《はっきり》と、
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