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 『草迷宮』 鏡花とアンティークと古書の小径


 「仰向様《あおのけざま》に、火のような息を吹いて、身体《からだ》から染出します、酒が砂へ露を打つ。晩方の涼しさにも、蚊や蠅が寄って来る。
 奴は、打《ぶ》っても、叩いても、起ることではござりませぬがの。

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