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 『活人形』 鏡花とアンティークと古書の小径


 得三は他に一口《ひとふり》の短刀《くわいけん》を取り出して、腰に帯び、下枝を殺さむと心を決《さだ》めて、北の台に赴き見れば、小手高う背《そびら》に捻ぢて縛《いまし》めて、柱に結へ附け置きたるまゝ、下枝は膝に額を埋め、身動きもせで居たりけり。

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