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 『五大力』 従吾所好

「何〈なあに〉、お前さん。所説ツたつて、くだらない事なんで、いづれ其処等〈そこいら〉の小屋掛芝居でございませうが、何とか云ふ俳優〈やくしや〉のしました、道行の其のな、忠兵衛の親仁にそつくりだつて、婦の子が騒ぎますものでね、……へゝ、騒いだ処で、爺が爺に肖たのぢや一向に栄えません。
 其でも思ひつき、と申した処で、忠左衛門では茶飯屋には成りませんから、一つ姉様の方にいたしましたよ。はい、では、お馴染の名は、梅川で、」
「いゝ遊女に聞えますね、聞いたばかりで、ちら/\しますぜ。」

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