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 『日本橋』 青空文庫

 これと斉しく、どろんとしつつも血走った眼を、白眼勝に仰向いて、赤熊の筒袖の皮|擦れ、毛の落ち、処々、大なる斑をなした蝦蟇のごときものの、ぎろぎろと睨むを見たのである。
 が同時にまた、思出の多いここの頼しさを感じて、葛木は背後に活路を求めるのを忘れつつ、橋の欄干に、ひた、とその背を凭せた。


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