検索結果詳細


 『日本橋』 青空文庫

 もとより将軍様に直訴する云うたほどですで、はじめから国手の身体に向うて手を挙ぎょうとは思わんのですれど、ものは発奮だで、赫としたでな。そりゃ刃物|措け、棒切一本持たいでも、北道|釧路の荒土を捏ねた腕だで、この拳一つでな、頭ア胴へ滅込まそうと、……ひょいと抱上げて、ドブンと川に溺める事の造作ないも知ったれども、そりゃ、あれを見ぬ前だ。

 1807/2195 1808/2195 1809/2195


  [Index]