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 『日本橋』 青空文庫

 お前ん、誰も知るまいし、また知らせるようにもせんですだが、俺はお前ん、二階から突出されて、お孝の内に出入りが出来なくなってからは、天に階子掛けるように逆せ上って、極道、滅茶苦茶、死物狂いで、潰れかけた商会は煙にする、それがために媽々は死ぬ。」
「女房が――んだ。」と、学士は鋭く口早に言返す。
「二歳になった小児は棄てる。」

 1814/2195 1815/2195 1816/2195


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