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『日本橋』 青空文庫
豊艶と覗いた乳首が白い蛇の首に見えて、むらむらと鱗も透く、あの指の、あの白金が、そのまま活きて出たらしいで、俺はこの手足も、胴も、じなじなと巻緊められると、五臓六腑が蒸上って、肝まで溶融けて、蕩々に膏切った身体な、――気の消えそうな薫の佳い、湿った暖い霞に、虚空|遥に揺上げられて、天の果に、蛇の目玉の黒金剛石のような真黒な星が見えた、と思うと、自然に、のさんと、二階から茶の間へ素直、棒立ちに落ちたで、はあ。」
1839/2195
1840/2195
1841/2195
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