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 『日本橋』 青空文庫

 まあ、極りの悪い。……銀貨入を握った手が、しっとり汗になりました。」
 とその塩瀬より白い指に、汗にはあらず、宝玉の指環。点滴るごとき情の光を、薄紫の裏に包んだ、内気な人の可懐しさ。


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