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『日本橋』
青空文庫
伝吾は厚ぼったい口をだらりと開けつつ、
「これが有るで、俺、この頃では、一日二日怠けて飯食わねえ事あるですけれども、身体が弱らん。かえって、ほかほか温だね。取っちゃ食い、取っちゃ食いするだ。が、あとからあとから湧くですわい。二十間の毛皮を縫包みにしておるで、形のある中は虫が湧くですだ。」
1886/2195
1887/2195
1888/2195
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