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 『眉かくしの霊』 泉鏡花を読む

「お客様だよ――鶴の三番。」
 女中も、服装は木綿だが、前垂がけの薩張した、年紀の少い色なのが、窓、欄干を覗く、松の中を、攀登るやうに三階へ案内した。――十畳敷。……柱も天井も丈夫造りで、床の間の誂にも聊かの厭味がない、玄関つきとは似もつかない、しつかりした屋台である。

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