検索結果詳細


 『高野聖』 泉鏡花を読む

(あゝ、お泊め申しませう、丁度炊いてあげますほどお米もございますから、其に夏のことで、山家は冷えましても夜のものに御不自由もござんすまい。さあ、左も右もあなた、お上り遊ばして。)
 といふと言葉の切れぬ先にどつかと腰を落した。婦人は衝と身を起して立つて来て、
(御坊様、それでござんすが一寸御断り申して置かねばなりません。)

 201/622 202/622 203/622


  [Index]