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 『五大力』 従吾所好

 たゞし、それは此方の内証で、大事な品ものを託けるのに、出格子へ雨宿りして、ふつと顔を見合はせるのが、例の……と、そんな了簡で居る奴を見立てる奴があるものかね……
 それ、茫乎〈ぼんやり〉立つた……可いかね。おしめで弱つたなんぞと馬鹿を云ふ……其の手に、風呂敷に包んだ奴を、ぶらさげて居るんぢやないか。
 狙をつければ、鳶だつて攫ひます。」

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