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『草迷宮』
鏡花とアンティークと古書の小径
胴中の縄が弛んで、天窓《あたま》が地《つち》へ擦れ擦れに、倒《さかさま》になっておりますそうな。こりゃ尤じゃ、のう、たっての苦悩《くるしみ》。
酒が上って、醒めずにいたりゃ本望だんべい、俺《わし》ら手が利かねえだに、もう些とだ辛抱せろ、とぐらぐらと揺り出しますと、
死
ぬる、
死
ぬる、助け船《引》と火を吹きそうに喚いた、とのう。
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