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『義血侠血』
青空文庫
挙止《とりなり》侠《きゃん》にして、人を怯れざる気色は、世磨れ、場慣れて、一条縄《ひとすじなわ》の繋ぐべからざる魂を表わせり。想うに渠が雪のごとき膚には、剳青淋漓《さっせいりんり》として、悪竜《あくりょう》焔《ほのお》を吐くにあらざれば、寡なくも、その左の腕《かいな》には、双枕《ふたつまくら》に偕老《かいろう》の名や刻みたるべし。
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