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 『活人形』 鏡花とアンティークと古書の小径

 さりながら八蔵が尚念の為め鉄棒にて撲り潰さむと犇くにぞ、爾時敵は二人なれば、蹴散らして一度退かむか、さしては再び忍び入るに甚だ便り悪ければ、太《いた》く心を痛めしが、恰も好し得右衛門が此折門を叩きしかば、難無く銀平に抱かれて、雑具《ざふぐ》部屋へ押込まれつ、後より得右衛門が擒《とりこ》にされて、同じ室へ入れられたるをも、泰助は好く知れるなり。

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