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 『眉かくしの霊』 泉鏡花を読む

「むかうの山口の大林から下りて来るんでございます。」
 言の中にも顕れる、雪の降留んだ、その雲の一方は漆の如く森が黒い。
「不断の事ではありませんが、……此の、旦那、池の水の涸れる処を狙ふんでございます。鯉も鮒も半分鰭を出して、あがきがつかないのでございますから。」

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