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 『婦系図』 青空文庫

 惣助これには答えないで、
「ええ、驚いたい、串戯《じょうだん》じゃねえ、二合半《こなから》が処フイにした。さあ、まあ、お乗んなせえ。」
 荷物を引立《ひった》てて来て、二人で改札口を出た。その半纏着と、薄色背広の押並んだ対照は妙であったが、乗客《のりて》はただこの二人の影のちらちらと分れて映るばかり、十四五人には過ぎないのであった。

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