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『日本橋』
青空文庫
と蹴出しの浅黄を蹈くぐみ、その紅を捌きながら、ずるずると着衣を曳いて、
「おお、冷い、おお、冷い。……雪やこんこ、霰やこんこ。……おお綺麗だ。花が散るよ、花が散るよ。」
仲通の小紅屋の小僧は、張子の木兎のごとく、目を光らして一すくみになった。
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