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 『夜叉ヶ池』 青空文庫

学円 (ひたりと洋服の胡坐《あぐら》に手をおき)何にも言わん。そう信ぜい。堅く進ぜい。奥方の人を離れた美しさを見るにつけても、天がこの村のために、お百合さんを造り置いて、鐘楼守を、ここに据えられたものかも知れん。君たち二人は二柱《ふたはしら》の村の神じゃ。就中《なかんずく》、お百合さんは女神じゃな。
百合 (行燈《あんどん》を手に黒髪しく立出づる)私、どうしたら可《よ》うございましょう。
学円 や、これは……

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