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 『高野聖』 泉鏡花を読む

 聞いただけでも飛んで行きたい。
(えゝ、其は何より結構でございますな。)
(さあ、其では御案内申しませう、どれ、丁度私も米を磨ぎに参ります。)と件の桶を小脇に抱へて、縁側から、藁草履を穿いて出たが、屈んで板縁の下を覗いて、引出したのは一足の古下駄で、かちりと合して埃を払いて揃へて呉れた。

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