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 『五大力』 従吾所好

「涸れて居ります事はお請合で。御覧下さいまし。……電燈〈でんき〉が来ないな、電燈が来ないな。」
 と叱言〈こゞと〉らしく小僧は云ひ/\、ふツ/\と膝を吹いたが、古下駄にめの入歯を、鉄槌でコトンと敲く。
 其の歯入を、待つてて取つて帰らうとするのであらう、と小弥太は思つた。……店から一坪土間を切つた、敷居の外に、〓〈しぶき〉を除けて此方〈こなた〉は彳〈たたず〉む。

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