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『草迷宮』
鏡花とアンティークと古書の小径
(ああ、明神様の侍女《こしもと》よ。)と言わっしゃった。
月に浪が懸りますように、さらさらと、風が吹きますと、揺れながらこの葦簀の蔭が、格子縞のように御袖へ
映
って、雪の膚まで透通って、四辺《あたり》には影もない。中空を見ますれば、白鷺の飛ぶような雲が見えて、ざっと一浪打ちました。
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